2013/01/28

2/2(土)「動く彫刻 能―TWO TIMES of Noh」演目が決まりました※終了しました

 


2/2(土)14時〜「動く彫刻 能―TWO TIMES of Noh」詳細はこちらから



■出演者
◎シテ
辰巳満次郎(たつみまんじろう) シテ方宝生流能楽師

◎地謡
山内崇生(やまうちたかお) シテ方宝生流能楽師
辰巳大二郎(たつみだいじろう) シテ方宝生流能楽師
辰巳和磨 (たつみかずま) シテ方宝生流能楽師

◎小鼓
清水晧祐(しみずこうすけ) 能楽大倉流小鼓方能楽師

◎笛
小野寺竜一(おのでらりゅういち) 能楽一噌流笛方能楽師


■演目のご紹介
1.源融をモチーフにした能の「融」をアレンジしたパフォーマンス(上演場所:美術館正門前広場)

平安時代、9世紀に実在した人物、源融(みなもとのとおる)は光源氏のモデルとも言われる、嵯峨天皇の皇子です。東北の陸奥出羽按察使に任ぜられた源融は、遥任といって、実際は赴任していないのですが、はるかな道の奥(未知の国)東北を思い、京都の六条河原の自邸に海水を運ばせて塩釜の浦(今の宮城県塩釜市)の景色をつくり、藻塩を焼く風雅を楽しみました。この庭は京の風流人たちの噂となり、在原業平や紀貫之がその様子を歌に詠んでいます。
能「融」が題材にしているのはこの源融邸六条の院で、幽玄な能の到達点のひとつといわれる演目です。この美術館の敷地では、平安時代の製塩跡がみつかっています。塩田を共通のイメージに、時間と空間を越えて、「融」をアレンジしたパフォーマンスをお見せします。



2.ゴームリーの彫刻とともに(上演場所:あずま屋付近)

「動き」を表現の主眼としてきた西洋彫刻の歴史に異を唱え、「動きのない」表現で彫刻を作るアントニー・ゴームリー。「動かぬ故に能」といわれ、動いていないことも一つの演技である能。アントニー・ゴームリーの彫刻と辰巳満次郎の能が出会い奏でる、この場限りのパフォーマンスです。



3.四海波静かな平和を寿ぐ「高砂」(上演場所:中庭)

室町時代以来、「高砂」は能の代表的な祝言曲として知られる名曲です。「高砂」では、松が重要な役割を果たしています。松は古来、神が宿る木とされ、常緑であることから長寿を、また、松は雌雄があることから夫婦の睦まじさも思わせるものです。


※雨天の場合は、美術館エントランスホールでの上演となります。


■演目について
葉山の地で、2011年3月11日の東北大震災で大きな痛手を受けた宮城県の塩釜の浦につながる「融」をアレンジした曲にはじまり、イギリスからやってきたゴームリーの彫刻とのコラボレーションを経て、一色の海を見下ろし平和を寿ぐ「高砂」で終わるプログラムです。
美術館の庭を一周しながら、遥かな時代を超え、場所を越えて、今この場に響きあう「TWO TIMES」、「ふたつの時空」を感じてください。